2014/03/29.Sat

【読書】The Monuments Men

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"The Monuments Men" by Robert M. Edselを読みました。

モニュメントメンとは第2次大戦中、連合軍が組織した特別部隊
モニュメントファインアーカイブス(MFAA)に所属していた兵士達。
当初の任務はヨーロッパ戦線において、美術品や歴史的建造物を
戦禍から守る事でした。

ところがナチスドイツによる欧州各国での膨大な美術品の略奪が進み、
彼らの任務は次第にそれらの捜索・奪還の様相を呈してきます。

略奪された美術品はミケランジェロ、ダビンチ、ルノワール、モネ、
ゴッホ、フェルメールの作品等、数にして500万点にも
及ぶと言われています。

モニュメントメンは、兵士達と言っても主要メンバーは寧ろ
ハーバードやオックスフォード大学の学者、研究者や
美術館のキューレーターが中心で、戦闘員としては
いわば素人の集まり。年令も平均40代と兵士としては高齢。
その彼らが芸術品を失なわせたくないという使命感から
命を賭けて戦場に向かった、と書かれています。

このチームが結成されたのは1943年。
まだノルマンディー上陸作戦からずっと前の事なので
戦局もどちらにころぶかわからず、連合軍も多大の犠牲を出しながら
戦争をしている訳ですから「人命が危険にさらされてる時に芸術品なんか
どうでもいいじゃないか」という声が味方の軍の中にも多く。
彼達は十分な車両や装具も与えられないまま
敵味方両方の砲弾の危機に晒され、数々の試練に直面します。

ナチスドイツは略奪した美術品を様々な場所に隠していました。
それを探す糸口として、占領下のフランスの美術館員である
中年女性がスパイになりドイツ人の目を盗んで彼らに情報を提供します。
見つかったら殺される可能性もあるのに。
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命を賭けて情報を提供したフランス人美術館員ローズ・ヴァラン

やっと隠し場所が古い城や岩塩抗で有る事をつきとめ、奪還しに
行く場面がクライマックスです。
ヒトラーはもし自分が捕まったり処刑されたらその美術品を
爆破する様にとダイナマイトを仕掛けていたのです。
↑ 狂人としか思えません。
そしてロシア軍も迫って来ており爆発の危険も有る中
ぎりぎりの奪還作戦が始まります・・・。

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モニュメントメンは様々な人物で構成されています。
裕福なイギリス貴族学者から、アメリカ名門大学の博士の学位を持つ研究者、
メトロポリタン美術館のエリートキューレターがいるかと思えば、
貧しい南部の出身で「子供の頃水たまりに映る雲しか芸術はなかった」
とまで言われて疎外感を感じながら芸術を愛する兵士。
またユダヤ人で命からがらドイツを逃げ出した少年が
アメリカ移民となり、若い通訳兵士としてドイツに戻るなど。
実際にこの中には命を落とした人も1人ではありません。

因みに日本ではどうだったのかと思っていたら
先日c-spanの読書コーナーでモニュメントメン日本に5、6人いたと
著者が語っていました。
この活動内容も非常に興味が有ります。

またこの特殊部隊は2次大戦のみだった、旧隊員が朝鮮戦争時に
志願して断られた、
イラク戦争にもなかったと記述されています。

ドラマチックな話でこの本は映画化されました。
ジョージ・クルーニーやマット・デイモン主演で。
面白くないわけがないはずなのに、何故か評価がヒジョーに低い。(;゚ ロ゚ ) 
一体何故なのかまだ未見なのでわかりません。不思議です。
観たらまたお知らせします。

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読書 | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
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モニュメントメン
こんにちは。
私は映画しかみていないのですが、映画館でこの映画のプレビューを見ただけでボロボロ泣いていました(笑)。

>芸術品を失なわせたくないという使命感から
命を賭けて戦場に向かった、と書かれています。

この思いを聞いただけで、鳥肌がたった、というか、すごいと思いました。

映画の中でも「人命を危険にさらしてまで(アートを)救う価値があるのか」というシーンが出てくるんですね。確かにそうなのですが、人類が生んだマスターピースと呼ばれる財産を失ってしまったら、それらが存在しなかったと同じことになってしまう。後世にこれらを伝えることが今を生きる我々の使命だというのです。

本当にすごいことです。

きっと本で読んだほうがいろいろと深い部分を知ることができるんじゃないか、って思います。機会があったら是非読んでみたいです。



Re: No title
○○様

いつも知性がほとばしっていますよ!
Re: モニュメントメン
Sakuraさん

この活動が無くて爆破されていたら気の遠くなりそうな損失ですね。
改めて時代をくぐり抜けて来た美術を鑑賞出来る有り難みを感じます。
映画はよかったんですね?
どうしてあんなに評価が低いのか、Rotten Tomatoesなんて33%です!
私は本を読む時にいちいちwikipedia imagesで絵を確認しながらでしたが
映画だったらその場で見られるし、俳優陣も豪華だしストーリーは良いと
全て揃っている気がしますのに。
でもSakuraさんが面白いと仰っていると安心して見られます。
いつも映画評楽しみにしています!

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