2013/08/23.Fri

Lee Daniels' The Butler 78点

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ホワイトハウスで34年間、8人の大統領の下で勤めた黒人バトラーの
一生を描いた作品。

バトラーである父親と、その息子たちの人生を並行して見せながら
黒人人種差別の想像を絶する過酷さ、公民権運動の広がり、
ベトナム戦争等歴史的出来事と個人の人生をを織り交ぜ
ドラマが進んで行きます。

主人公セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィティカー)は
南部プランテーションで働く両親の元に生まれ、
1920年代の子供の頃白人から虐げられて育ち、
その中で持ち前の才能と努力で頭角を表して
ホワイトハウスで雇われるまでになります。

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不公平な待遇や社会のシステムにも激しい怒りや抵抗を表に表さず
(少なくとも晩年に至るまでは)ひたすら実直に働き、
その聡明さと誠実さによって認められていきます。
代々の大統領とひとときの思いがけない交流も生まれます。

その一方で息子の1人は黒人差別に対して社会を変えるべく
積極的に教育を受け、苦しみ、危険な目に遭いながら
公民権運動に参加して行きます。

白人と黒人の座る席が分かれていた「隔離政策」時代に
レストランの白人専用席に座り込んで
抗議するlunch counter sit-in運動に息子も参加します。
ただ座っているだけなのに、罵倒され、突き飛ばされ、
ケチャップやクリームや唾まで吐きかけられ
警察に逮捕されます。
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その苦しみに耐えるために、予め仲間同士でお互いを
罵倒し合って慣れる様にトレーニングしているシーンも
有ります。
息子は更に過激だとされる活動にも参加していきます。

勿論それに留まらず、集団リンチ殺人や爆破事件も横行
していたわけです。
たった数十年前の事なのに、ここまで酷い事が行なわれて
いたのかと改めて思い知らされました。

一方で、絶対変わる様に思えなかっただろう当時の状況から
たった数十年で黒人大統領が生まれるまでに自国を変えて来た
アメリカの市民パワーにも改めてinspireを受けます。
諦めず忍耐強く社会を変えると信じて
行動する事の強さを目の当たりにしました。
日本はどうかな?市民パワーは育つのか?

ところで、歴代大統領や夫人の配役にクスッと笑ってしまいます。

ドワイト・アイゼンハワー  ロビン・ウィリアムス→ふざけやさんなのに!
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リチャード・ニクソン ジョン・キューザック→めっちゃリベラルなのに!
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ロナルド・レーガン アラン・リックマン
→英国労働党の地方議員と長年同棲なのに!
 それは関係ないか?でもなんだか似てておかしい。
 あのダイハードの悪役カールがね〜。
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ナンシー・レーガン ジェーン・フォンダ
→言わずとしれたベトナム反戦活動家”ハノイ・ジェーン”なのにナンシー!
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少年セシルを農場から家の手伝いにして
行儀をたたきこむ老婦人 ヴァネッサ・レッドグレーブ
→ジェーン・フォンダと名作「ジュリア」での共演を
思うと感慨深いです! 彼女こそ極左
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主人公のフォレスト・ウィティカーも2008年の大統領選挙戦で
オバマ・大統領のキャンペーンを手伝っていました。
本作でまたもや名演技を見せています。
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同僚バトラーにキューバ・グッディングJr.とレニー・クラビッツ
オスカー俳優女優これで何人目?惜しげも無く使ってます。
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これだけのキラ星の俳優が揃うのはそう、そこにオプラがいるから!
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セシルの妻役で出演しています。
オプラ・ウィンフリーは貧しい南部の生まれからTV司会者として成功し,
その後プロデューサー・慈善家・女優としても活躍する大物。
Forbs誌による「the world's most powerful celebrity」に
何度も選ばれています。
黒人女性で初めてのbillionare(10億ドル以上の資産家
=1000億円以上!恐らくその数倍)となり、
オバマ大統領が候補時代の初期から
早々とサポートを宣言し、勝利に大きな影響を与えたとも
言われています。

彼女が各メディアに現れてプロモーションした効果もあるのか
この映画は先週のBox Office1位でした。

でも評価がまちまちなのは、実話である部分が少なめ
だからかも。
「"inspired by a true story"って何パーセント位が真実だと
思う?」と一緒に観たアメリカ人の友人に聞いたところ、
「20パーセントかな〜?」と言ってました。
"based on a true story"だともっと割合が上がるとのこと。
本当かな?

たまたま歴史的事件に居合わせるという「Forrest Gump」の作りと
似ている点も有ります。
あれは100パーセントフィクションでしたけど
大好きでしたが。

個人的な話はフィクションでも歴史的出来事は本当だし
代々の大統領の裏表や史実も勉強出来て感動もして78点。

そして来る8月28日はワシントン大行進の50周年記念日。
大規模な記念イベントが行なわれます。(←詳細はクリックで)
50周年のこの時にDC郊外にいられた幸運に感謝して注目したいです。
キング牧師のスピーチも改めて聞き直してみます。

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映画 | Comments(2) | Trackback(0)
Comment
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Re: No title
はじめまして。
ブログを放置していてお返事が遅くなってごめんなさい。
こちらに春からいらっしゃるのですね。
映画の情報交換が出来たら嬉しいです。

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