2014/02/27.Thu

それでも夜は明ける 12 Years a Slave 80点

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いよいよアカデミー賞が3月2日(日本時間3日)に迫って来ました。
今回は作品賞の最有力候補「それでも夜は明ける(原題:12 Years a Slave)をご紹介します。

<ストーリー>
時代は1840年代。まだ南部の州で奴隷制が続く中、主人公のソロモンは
自由州であるニューヨーク州で自由人として、家族と幸せに暮らしていた。
108a_DF_04129.jpg

ミュージシャンの彼は、白人の2人の男にワシントンDCでの
興行話を持ちかけられ、酒を飲まされて眠らされ、
目を覚ましてみると鎖につながれていた。
くさり

名前も変えられ奴隷として南部の奴隷主の元に売られていく。
12_years_a_slave_boat.jpg

そこでは地獄の様な厳しい労働と酷い扱いが待っていた。
奴隷

教育の有るソロモンは奴隷の中で頭角を表し、1件目の奴隷主には
気に入られるが、
気に入られる

白人の使用人に妬まれリンチに遭い危うく殺されかける。
リンチされる

次に売られた先は冷酷で、狂気の片鱗も見せる奴隷主。
images奴隷主

この奴隷主、若い女奴隷パッチーに恋心を抱き、夜な夜な彼女をレイプする。
12-years-slave11.jpg

奴隷主の妻はそれに嫉妬して、パッチーの顔をナイフで斬りつける。
切られる

酷い行為に逆らう奴隷は、女や子供を守ろうとする者もその場で
殺されていきます。

つらいつらい描写がずっと続きます。
それでも見なくてはいけないと思うのは、これが実話に基づいているから。
原作は実際に誘拐されてルイジアナ州のプランテーションで働かされていた
ソロモン・ノーサップによる自伝です。
後の研究によって彼の自伝が驚くほど正確であると証明されています。
(Wikipediaより)

とにかく同じ人間を家畜の様に扱うのです。
生まれつきでなく、人生の途中から奴隷にさせられたソロモンの
視点からはよりつらく厳しい気持ちが浮き彫りにされます。

この歴史から学び、非人道的行為・差別は二度と繰り返しては
ならないのは勿論です。
それだけではなく、当時南部の人々からは当然の事と
見なされていた奴隷制を撤廃する事が出来たのです。
(大きな代償は有りましたが)
悪いとわかっていてもどうせ変えられっこない、と諦めずに
悪いと思う事には声を上げ続けていかなければならないと
再認識した1作でした。

(ネタバレ注意↓)
タイトルが大体ネタバレで12年の奴隷生活の後、彼は元々自由州からの
自由なステイタスを持つ人物であると証明され自由の身になります。
でも同じ場所で苦労した他の奴隷達はそのまま残されました。
いわばソロモンは自分だけ助かったのです。
他の奴隷の解放には南北戦争を経てまだまだ長い時間がかかりました。

ソロモンはその場で声を上げても殺されるとわかっているので
自分の身を守り、その後安全な場所から奴隷を逃がす
underground railroad活動に携わりました。
日本だと「自分だけ助かりたいのか」とそこから去る事さえ
許されず「それでも夜は明けない」になっていたかも。

どこで声を上げるか、の見極めが大切で難しい時代に
なっています。

学ぶ所、考える機会にはなりましたが、とっても好きな映画かというと・・・。
立派な映画だと思うのですが、残念ながら今回の
アカデミー賞の作品賞に心から大好き、と言えるものが
なく、ちょっと残念です。
同じ年に「フォレスト・ガンプ」と「ショーシャンクの空に」の
2本とも候補に上がって選ぶのが難しい!と悩んだのが
懐かしい〜。
今年は元気が出るヒューマンほのぼの感動作を期待します。


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2014/02/25.Tue

本を焼く所では・・・

16071.jpg 
 “Where they have burned books, they will end in burning human
 beings.”
 「本を焼くような所では、やがて人が焼かれるようになるだろう。」
          
           ― Heinrich Heine ハインリヒ・ハイネ 

特定の本を破損させたり、閲覧禁止にしたりするニュースを度々目にするようになりました。
怖いです。
本を尊重し、読む事の出来る自由、情報を手にする自由が守られますように。
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2014/02/24.Mon

アメリカン・ハッスル 62点

American Hustle Soundtrack

デヴィッド・O・ラッセル監督の「アメリカン・ハッスル」。
アカデミー賞作品賞候補の一つです。
3月2日に賞が迫って来たので焦ってアップしています。

面白い、と評価も高いのですが、私は今ひとつ乗り切れ
ませんでした。2つの理由があります。

1. 俳優達が”賞獲り”に走っている印象

まず冒頭シーンでびっくりさせられます。
髪の毛の薄くなったクリスチャン・ベールが
少ない髪の毛を寄せて、寄せて、髪が有る様に見せるため鏡に
向かっている所からです。
Unknown ku   クリスチャン
アメリカン・ハッスル時  普段のイメージ

「ああ、演技賞を狙っている・・」と思わずにはいられませんでした。
体重もかなり増やして立派な太鼓腹。
昔ロバート・デニーロが体重を数十キロ増やして「アンタッチャブル」で
アカデミー賞助演賞を獲ったり、
美女シャーリーズ・セロンがやっぱり体重を十数キロ増やして
「モンスター」で主演女優賞を獲ったりしましたが、
もうそこで勝負は勘弁・・、特に髪の毛の変化は演技とは言えないし、
という気持ちになります。

ブラッドリー・クーパーもいつものイケメンからイメージを変えて、
カーラーを巻いてかっこ良さから必死に逸脱しようとしているようで。
bradley c
アメリカン・ハッスル時
imagesぶ
       普段のイメージ

実際この監督は俳優にオスカーを獲らせる事で有名で、
「ザ・ファイター」ではクリスチャン・ベールに助演男優賞、
メリッサ・レオに助演女優賞、「世界にひとつのプレイブック」では
ジェニファー・ローレンスに主演女優賞を獲らせています。
でも”賞ありき”、の演技は鼻につきます。
映画の中で必然的で自然な演技、それが映画を輝かせるのですが、
すごいでしょ?とあざとく見せられるとすーっと気持ちが
引いてしまうのです。

2. スカッとしない

アメリカで起こった収賄事件「アブスキャム事件」を基に
作られています。だからある程度仕様がないのですが、
登場人物が殆ど中途半端にいやーな人々です。
その中で唯一比較的良い人をわざと詐欺事件に
巻き込んで手柄を立てようとする話です。
その中で騙し騙されのどんでん返しも
有るのですが、展開が鮮やかじゃない。

同じ詐欺のどんでん返しの話、「Sting」は
登場人物も愛すべき人達で悪者もかっこいいし
プロットの大転回では「へえーーーー!!」と
思わせる感動が有りました。
513SXH6Q13L.jpg
それが無いんですね〜。
面白かったな〜、「The Sting」。

小者の悪の悲哀も描いているのでしょうが、
それにしては自嘲のトーンも無いエンディングで
何だか見終わった後にモヤモヤしました。

一カ所「いいぞ!」と気持ちが盛り上がったのは
クリスチャン・ベールの妻役ジェニファー・ローレンスが
浮気されている事に気付いてポール・マッカートニーの
「007死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)」を歌いながら
家を掃除するところ。


彼女の演技は若いのにおばちゃんぽさ全開で何故か自然。
上手さを感じます。

意外なところにロバート・デニーロが出て来たり、
(前作でブラッドリー・クーパーの父親役でした。
もうデヴィッド・O・ラッセル監督一家と言えましょう)
ところどころ面白い箇所は有るのですが、私は
前作の「世界にひとつのプレイブック」の方が
良かったです。

最近の映画はこの映画や「ウルフ・オブ・ウォールストリート」等
人間としてどうかと思う人々の話か「ゼロ・グラビティ」や
「それでも夜は明ける」等の究極のサバイバルの話が多く。
もっとほのぼのヒューマンドラマや、元気が出る様な映画が見たいです。


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2014/02/21.Fri

Blue Jasmine   75点

Blue_Jasmine_poster.jpg

ウディ・アレン監督の最新作「Blue Jasmine」。
昨年公開でしたが見逃していてやっと見る事ができました。
3月2日に迫ったアカデミー賞の主演女優賞、ケイト・ブランシェットが
有力視されている事で話題になっています。

ニューヨークで大富豪の夫(アレック・ボールドウィン)の妻として
何不自由無く暮らしていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)。

blue-jasmine-image05.jpg

ある理由で富も家族も失い、妹の家に転がり込む所から映画は始まります。

Blue-Jasmine-Cate-Blanchett-4.jpg

このジャスミン、大学もドロップアウトして若くして結婚し、
働いた事も無い。
とにかく何も出来ない、人の世話にならないと生きていけないのに
プライドが高く、浪費家で、人の事を見下す性格は直りません。

世話になっている妹の家も労働者階級の彼もけなして、
ひどい事を言い続けます。

働かなくてはいけなくて経験も知識もないのに
「ここまで飛行機はファーストクラスで来たわ、エコノミーに
乗る人の気が知れない」、
「onlineでインテリアデザイナーをするわ」と
地に足がついていないのです。
一文無しで居候なのに、エルメスのバーキンを必ず
持ち歩いている。
過去にしがみついている象徴でしょうか。
Blue-Jasmine-PS-01.jpg

現実と自分の意識のギャップを理解出来ないのか、
するのを拒んでいるのか精神を病んでいきます。
imagesジャ

この話は実話を元にしています。
2008年に史上最大級巨額の詐欺事件で逮捕された
バーナード・メイドフ事件とその妻ルースがモデルと言われています。

この作品の映画評を色々耳にしていてとにかくケイト・ブランシェットが
バカ女、イタイ女を演じる、と聞いていました。

でも確かにイタイのですが、私何だか身につまされました。
理由は違っても、この時代何かのきっかけで今まで当然だと
思っていた生活が、足元からガラガラと崩れ落ちる感じ、想像出来ます。
特にリーマンショック、311後は何一つ確かなものが無いと
感じ続けています。

ただウッディ・アレン監督の描きかたがこれ迄はイタくても
どこかほんわかモードだったのに対して、今回冷たさが残るのは
彼女が加害者の家族だからでしょうか。
馬鹿にしている貧乏な妹も、実は宝くじが当たったのに
ジャスミンの夫のインチキ投資話に乗ってお金を失っていたのです。
こんな被害者が直接・間接的に世界中に無数にいると思われ。

不安な時代を反映してか、没落をテーマにしたものも目につきます。
ずっと好きな元ニューヨークタイムス紙・ニューズウィーク誌の
コラムニストで小説家、Anna Quindlenの最新小説もその題材です。
またこれについては日を改めて。

ケイト・ブランシェットと言えば、これまで女王様を演じる事が
何度も有り、そのイメージが付いているので(映画「エリザベス」より)
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余計にこの役はそこからのギャップが生きています。

よく指摘されているのが、テネシーウィリアムズの戯曲で映画にもなった
「欲望という名の電車」との相似点。
欲望という名の電車
ビビアン・リー演じるブランチも贅沢趣味で財産を失い、妹の家に
転がり込んで来る、妹はブルーカラーの男性と(マーロン・ブランド)と
同棲している、神経を病む、という共通点が有り。
ビビアン・リーは「風と共に去りぬ」のお嬢様キャラと
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この役両方でアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。
「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラは南北戦争後、
没落してからも戦後混乱の激動時を強く生き抜いていきます。

さてさて3月2日の今年のアカデミー賞でケイトも獲るのか。
私は彼女が獲るに1票です。
Cate-Blanchett-2014-Golden-Globe-awards-.jpg
↑ ゴールデン・グローブ賞でのケイト


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2014/02/20.Thu

真央ちゃん!

ブログやTwitter等でさんざん皆さん既に書いていらっしゃるでしょうが、
書かずにいられません。

真央ちゃん、よかった!!
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前日のショート・プログラムでの結果で自分でも納得が
いかず、落ち込んでいるはずなのに、追い打ちをかけるように
心ない政治家の発言や批判、さぞプレッシャーが有ったでしょう。

その中で昨日のSPで16位から今日のフリーでは
自己最高得点をたたき出し、総合6位へ。
ただ順位の問題ではなく、実力と精神力の強さを見せてくれました。

本当に引退しちゃうのかな、長い間“華”と“努力”を見せてくれて
お礼を言いたいです。

内外からのTwitterメッセージからも彼女がいかに愛され,応援されていたか
伝わってきます。(クリックしてみてね↑)

アメリカではNBCが放映権を独占し、解説者はこちら↓
ku-xlarge.jpg
ジョニー・ウィアー(元男子フィギュアスケーター)とタラ・リピンスキー(長野オリンピック女子金メダリスト)です。
日本選手についてとても好意的でよく調べていて、村上佳菜子選手が
真央ちゃんと同じ高校で入学の時にブレザーを譲り受けた話、鈴木明子選手のコーチが「明子の最大の武器は彼女のハート」と語った事など、
ぐっとくるエピソードをちりばめてくれていました。

私がもう1人注目していた選手がロシアのユリア・リプニツカヤ選手。
15歳の幼い顔つきながら、なかなか気の強さが伝わってきていました。
ユリア語録はこちら

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記者から年が倍近く離れている鈴木選手と戦うことについてコメントを求められた時、「特に何も」と答えた後、わざわざ通訳を連れて鈴木選手の元を訪れて、「アキコの事は選手として尊敬しています。たださっきの質問は全く予想してなかったので何と答えていいかわからなかったの。」と
言いに来たらしいのです。
いい娘や〜。
因みにキューバに傾倒していて愛犬の名前はチェ・ゲバラ。

映画ファンとして面白いと思ったのは、彼女が映画「シンドラーのリスト」の音楽を使い、映画の中の”赤いコートを着た少女”をイメージした演技をした事です。
「シンドラーのリスト」は基本白黒作品なのですが、より印象的な効果を高めるシーンで部分的に色をつけています。
これは黒澤明監督が「天国と地獄」で使った手法として有名です。Unknown2

Julia_Lipnitskaia_Olympics_2014.jpg

あの映画を観た人ならその記憶と相まって気持ちを揺り動かされる効果が有るかもしれません。
彼女も転倒して総合5位。でもこれからも注目していきます。

金メダル有力視されていたキム・ヨナ選手が銀に終わり、地元のロシアのどちらかというとユリアちゃんより注目の薄かったアデリナ・ソトニコワが金メダル、というなかなかドラマチックな展開で楽しめました。

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真央ちゃんと村上佳菜子選手の幼い時の写真 お疲れ様でした!

おまけ
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MDくらし | Comments(2) | Trackback(0)
2014/02/14.Fri

また雪

雪の日

ブログを放置していました。訪れたりコメントを残して下さっていたかた、ごめんなさい。
雑事に追われておりましたが、一段落しました。
アカデミー賞まであと2週間あまり。実は映画を結構見ていて感想を書き残していませんでした。
これから少しずつアップしていこうと思います。

そして、また雪。
今日はこのプールさえ凍っています。
「犬は喜び庭駆け回り〜」のはずが、老犬外に一切出たがらず。


お布団ごま

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